維新・太陽合流 野合批判に説明果たせ

 原発を推進するか脱原発を目指すかは、「小異」でなく「大異」そのものではないか。
 日本維新の会代表の橋下徹氏と太陽の党共同代表の石原慎太郎氏が会見し、両党の合流を発表した。だが合流に先立ち合意した8項目の政策ではエネルギー政策の中から橋下氏がこだわっていた「脱原発」の文字が消えた。

 原発事故を経た震災後の日本にとり、脱原発の是非は死活的に重要な事柄だ。その点の違いに目をつぶった合流は野合のそしりを免れまい。両氏は合理的に反論できるのか。「フクシマ」の教訓に何を学ぶかを含め、説明責任を果たすべきだ。
 石原氏は脱原発を「センチメント(情緒)の愚」と一蹴してきた筋金入りの原発推進論者だ。合流発表の会見で橋下氏は「一番見解の隔たりのある事柄については合意ができた」と述べたが、選挙の直前に慌てて持論を捨てて歩み寄ったという印象を否めない。
 石原氏も、かねて消費税の地方税化に否定的だったが、8項目の中にはそれも盛り込まれた。両者のTPP(環太平洋連携協定)への姿勢もあいまいだ。これが石原氏の言う「小異を捨てて大同団結」なのか、違和感を禁じ得ない。
 そもそも人脈も異なる。郵政民営化など小泉改革を主導した竹中平蔵氏は橋下氏のブレーンだ。一方、太陽の党の母体となったたちあがれ日本は郵政民営化に反対して自民党を飛び出したはずだ。
 構造改革、新自由主義の是非は国柄の根幹にかかわる話だ。根本的な立ち位置が異なるままでの合流は、「選挙互助会」と批判されて、反論できるのか。
 今回の総選挙はまず、前回総選挙のマニフェスト(政権公約)になかった消費税増税の強行について信を問う選挙となろう。
 同時に、行き詰まっている在日米軍基地問題をどうするか、対米従属を継続するか否かも争点とすべきだ。周辺国と緊張を高めた点も含め、外交の在り方を各党は示すべきだ。
 前原誠司国家戦略担当相は、8月の野田佳彦首相と石原氏の会談で、尖閣にからんで石原氏が中国との戦争も辞さずと強硬論を述べたと明らかにした。
 石原氏は発言を否定しているが、最近でも中国と「戦争する覚悟」に言及しているのは事実だ。橋下氏もまたそれを是とするのか、考えを示してもらいたい。



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