<南風>保育士が副業をする前に


社会
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 世は「副業・兼業時代」。保育士の皆さんはもちろん、園長先生方も気になるところですよね。先に言っておきますが、僕は保育士の副業(複業)・兼業をあっせんしていません。どちらかと言うと保育士をしながら保育園側とともに多様な働き方に向け、課題解決や仕組み作りに尽力したいです。その多様な働き方の課題なんですが、ちょっと聞いてもらえますか。

 一つ目は【園の規則と双方で気にしている点の認識】。就業規則に副業OKと記載されているか。確認はもちろんですが、正直なところ、園長先生たちが懸念している「(園内で)本業に支障はないのか」と「社会保険上」の問題(収入などで法律的に問題はないか、園側で手続きが必要か)をクリアしないといけないですよね。園側は副業されている方を雇うのは初めてかもよ。互いに配慮しなきゃね。

 二つ目に【そもそも信頼関係は築けているか】。毎日、担任同士では会話するけど、園長・理事長先生と普段からしゃべっている? あいさつだけになってない? 園の保育理念に基づいた保育活動はもちろん、書類や研修報告などで時間や締め切りを守っている?

 当然、園長・理事長先生も一人間なので普段の会話や業務の姿勢から、先生方の人柄や仕事の印象を受けているのね。(ん? うちあたいした?)。普段やり取りのない先生からさ、急に「副業してもいいですか?」と聞かれた園長先生の身にもなってよ。「え? んー」ってなるじゃんね。

 厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン(2022年7月改定)」で利点と問題点を示しているけど、それ以前に仕事とはいえ「人と人で成り立つ」のが大前提なんだからさ。多様な働き方には賛成♪でもまずは目の前の先生との対話からだよね。あ、園長先生、この考え方って、どうでしょうか?

(玉城伸悟、tetote代表 主任保育士)