コラム「南風」 言葉の誤り


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 無指向性について書きます。もともとはアメリカからきた言葉です。翻訳の時、国語学者が遊んでつくったもので、学術的に非常にマイナスです。今から30年前に防衛庁にいた平山さんが、ふと「無指向性の言葉は文法的に間違いじゃないか?」の言った一言でちょっと議論になりました。指向性があると最初は肯定しながら後で否定するのはおかしいと言い始めたのです。

 語源を調べたら、本来の意味は英語でOMNIのスペル。だから直訳すればALLと一緒ですので全指向性、または全方向性でいいのに、わざわざ回りくどく無指向性と誤解される名前にした。さらに、無指向性スピーカーのことを、どこから音が出ているか、わからないと説明します。プロでもそうです。なぜでしょうか? 頭文字に無がつくからスピーカーが消えてしまうのです。
 そのために何万回も説明する羽目になるのです。はじめに言葉ありきですね。実は従来の前向きのスピーカーはステレオには使えないのです。なぜか。シンバルたった1個もまともに再生できない! PAとしては使えるが。そのことに気づくのに私は45年もかかりました。
 原因は無指向性の言葉です。前向きのスピーカーは音響バランスをフラットにすることは不可能です。知名御多出横のパイプ型スピーカーは完璧に2万ヘルツまでフラットです。
 チョット脱線しましたが他の分野でも間違いがいっぱいあるものと思われます。進化論もそうですね。退化論もあるか? 本来は変化論が近いのかな? キリンの首が長くなると進化したことになる! 避雷針も実際は雷を避けるではなく呼び込むのが仕事ですので間違いです。
 仕事上やりにくいそうです。ぜひ訂正してほしいものです
(知名宏師(ちなひろし)、知名御多出横代表)