コラム「南風」 エピローグ


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 12月12日、三上寛という青森県出身のフォーク歌手のライブが、市内大川のJAZZBARすけあくろで催されました。「神々の深き欲望」というタイトルでギター一本でうなるように唄い、詩の朗読、あるいはまるで一人芝居を演じているように唄う、約2時間ほどの熱いステージでした。

 このライブを企画して石垣島へ三上寛さんを招いてくれたのが、12年前に東京・高円寺の沖縄居酒屋「抱瓶」で私のライブを企画してくれた峯尾由起子さんを中心にしたメンバーでした。
 みなさん今や還暦を迎えた女性たちで息子さんや娘さんたちを連れて三上寛さんと共に石垣島へやって来ました。中には石垣島へは40年ぶりだという人もいました。市内の居酒屋「南風」での酒宴では12年ぶりの再会に話ははずみ、泡盛を飲みながらの楽しい一夜でした。
 また私の中ではあの熱い高円寺の夜がよみがえってきました。翌日は三上寛さんのライブで盛り上がり、さらに翌日にはライブハウス「シティジャック」で、カラオケじゃなく生演奏をバックに歌いながら泡盛を口に運ぶ楽しい素(す)敵(てき)な夜でした。来年もまた三上寛さんのライブと共に来島しますとの約束を残し帰京しました。また泡盛で乾杯を…。
 7月から書きはじめたこのコラムも今回で終わりです。二つ返事で引き受けたものの毎回毎回何を書いていいのか悩み考えながらも、自分の体験や思いを書く事でなんとか12回を終える事ができました。ホントによかったです。酒の事、旅の事、歌の事なども書けてよかったです。
 読んでくださった皆さま本当にありがとうございました。
 酒屋の仕事も歌のライブも…。私の2012年はまだまだ続きます。感謝!
(池原興一(いけはらこういち)、池原酒造勤務)