コラム「南風」 縁の下の活躍


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 ある年の全国高校駅伝。京都までの移動で長時間同じ姿勢で過ごしている間に、出走予定の選手が腰を痛めていました。全国大会に出場したい選手は監督には話しませんでした。この大会にはトレーナーの赤嶺(赤嶺鍼灸院)さんが帯同しており、治療をした赤嶺さんから私へ連絡が入り、本人を呼んで欠場を決めました。

 また翌年、男女でアベック優勝し全国大会に出場した1年間は、宮城先生(琉球大学教育学部)にメンタルトレーニングをしてもらいました。当時、駅伝部の部員は男女で40人に達し、監督1人で全員のメンタルケアは無理な状態でした。特に女子選手の中に、極度の緊張のため実力を発揮できない選手がおり、宮城先生からアドバイスをしてもらいました。結果、その選手は力を出し切り、おかげで女子も初優勝。全国大会へ出場できました。
 赤嶺さんも宮城先生も監督の意向を踏まえながら選手とのコミュニケーションをとってもらい、大変お世話になりました。
 そして、毎年1月に行われる全国都道府県対抗男子駅伝では、広島県立高校の4人の先生方にお世話になっています。吉本先生夫妻、糸満先生、柿園先生。沖縄県チームが広島入りしてから、コースの試走や練習会場までの送迎、大会当日の付き添いの送迎など、もう15年以上になります。
 縁の下のスタッフにスポットライトは当たりませんが、こうしたスタッフの存在があって選手の活躍があります。また、支えてもらった方々には「縁の下」の存在だけでなく「縁起」も感じました。「全てのものは縁があって起こる」という考えですが、これまでの指導を通して、まさにその通りだと感じています。
 最後に、これまでコラムを読んでいただき、ありがとうございました。来年もよい年でありますように。
(喜納敦(きなあつし)、県立北山高校教諭)