コラム「南風」 会話の基本は5W1H


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 講演会などに呼んでいただいた折よく質問されることがある。「初対面の人と話せないんです。どうしたらうまく会話ができますか」。仕事柄か、私はいつでも誰とでも楽しく会話ができると思われているらしい。が、実際の私は人見知りだし、初対面の人はできれば遠くで観察していたい。

 とはいえそんなことを言っていては仕事にならないので、やはり秘訣(ひけつ)がある。「5W1H」覚えておいでだろうか。中学の英語の授業で習った疑問符の覚え方だ。What(何を)When(いつ)Where(どこで)Who(誰と)Why(なぜ)How(どうやって)。これはインタビューの基本でもある。例えば、「その色お似合いですね。普段は何色が多いんですか? ご自分でお選びに? あ、奥さまですか。センスがいいですね。どこでお買い物なさるんですか。お二人で? 素敵(すてき)ですねぇ…」という感じ。
 5W1Hがあれば、最低六つは質問できるので慌てずに済む。合間に相手を褒めることも忘れない。そして自分の話は控えめに。自分の話ばかりする人は印象が悪い。質問されたことに応え笑顔で相手の話を聞く。これで会話は成立。大切なのは盛り上がるかどうかではなく(これは得意な人に任せればいい)相手をいい気分にさせること。根掘り葉掘りと思われないよう距離感も大切に。
 実はこの六つの質問には共通点がある。「私はあなたに興味がありますよ」というサイン。会話の基本は相手に対する興味。目をキラキラさせて自分に興味を持ってくれる人に悪い印象は持たないだろう。それでも話が途切れたら、縁がないと諦めよう。潔さもまた大切。
 ところでこのコラムも最終回となった。これまで私のつたない文章にお付き合いいただいたことに感謝。どうぞよいお年を。
(宮城麻里子(みやぎまりこ)、パーソナリティ)