コラム「南風」 大切なかけ声


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 今回、琉球新報社より、コラム執筆のお話を聞いて、正直驚いた。
 普段私は、本を読んだり、雑誌を見たり、生活の中で思うことからイメージを膨らませて、ピアノで音にしてみたり、文章を書いたり、コラムの執筆等とはほど遠く、全く別世界のことに思っていた。

 今回は、コラム執筆を通じて、新しい体験に心が鳴っている。
 「さぁーッ」とともに背伸びをし、ベッドからそろそろと起きだし、向かうところは冷蔵庫の前。寝起きながらの息を吐いて、左右の肩を交互に「右、左、右、左」と上げ下げをし、小さな声で「ワンッ、トゥッ、スリッ、フォッ」と言いながら体の調子を整える。その後、シュワッとする炭酸水を飲んで、水を飲む。次にヨーグルト。
 ファッション誌などで料理のレシピが紹介されているページを切り抜きし、目覚めのレシピとして、ほぼ毎日、体質改善生ジュースを作って飲むことを日課にしている。キャベツ、にんじん、リンゴ、プラス食材をミキサーに入れる。ジューサーの音とともに、私の一日のリズムが始まる。
 「さぁッ」、一日が始まる。
 「ワンッ、トゥーッ、スリーッ、フォーッ」
 このカウント! そう! 私のライブ・ステージでの大切なかけ声。特に、「MERCY, MERCY, MERCY」のエンディングに入る時に、気合の入った声で叫ぶ。「行くよー」「行こう」という励ましの心を大にして、皆と進む気持ちでカウントを叫ぶ。
 一歩前へ、またもう一歩前へ。 笑顔になるまで、とても大切にしている声。何度でも何度でも叫びたくなる。また、そこから始まることを信じて、
 「ワン、トゥ、スリー、フォ!」
(安富祖貴子(あふそたかこ)、ジャズ歌手)