コラム「南風」 みんなでグッジョッブ


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 「人はどうして働かないといけないか」「何のために働くのか」「仕事ってなんだろう」。教室の中で子どもたちにそんな質問を投げかけ、言葉のキャッチボールをしたりします。
 子どもたちは、「お金のため」とか、「生活のため」「楽しく生きるため」などとストレートに回答してきてくれて、大人がはっとさせられたります。

 さて、私の運営するNPO法人では学校で行われる職場見学・体験などのお手伝い通して、キャリア教育の充実に取り組んでいます。具体的には、子どもたちが学校の外に出て実際の働いている大人を観察したり、仕事を体験したりする活動に際し、コーディネーターの皆さんが学校と企業の間に入りもろもろの調整業務にあたっています。難しく言うと産学官連携による就業意識向上支援、平たく言うと「みんなでグッジョブ運動」です。
 みんなでグッジョブ運動は、沖縄県全体で失業率を全国平均並みにしましょう、若年者の早期離職の傾向を改善しましょう、雇用の場を創出しましょう等の県民一人一人が取り組む「運動」です。皆さんご存じですよね?
 名護市では商工会、観光協会、青年会議所、中小企業家同友会といった経済団体を中心に子どもたちを受け入れてもらっています。行政も産業部と教育委員会が協力し、他にも名桜大学やNPO団体も関わっていただき、この就業意識向上にむけた取り組みが継続的なものとなるように、「みんなで」が努力しているところです。
 取り組みの中で感じていることの一つは、大人が仕事の楽しさや、やりがいを背中で語り、また実際に言葉で子どもたちに伝えることが大切だということです。私自身もいつものようにウチアタイしながら自問自答しています。「仕事は楽しいかね」と。
(末吉司(すえよしつかさ)、NPO法人HICO理事長)