コラム「南風」 ブライダルの仕事(2)


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 「今日のうれしさは、何にたとえることができようか。あたかも蕾(つぼみ)が露を受けてぱっと咲いたような心持ちである」

 ご存じ、沖縄の祝宴の座開きに踊られる「かぎやで風節」の歌意ですが、サービスのアルバイト時代も含め、ブライダルの仕事に関わるようになって26年。結婚披露宴の内容や演出に衣装までさまざまな変化を見てきましたが、主役である新郎新婦をはじめ、2人を祝う列席者の気持ちは、まさにこの歌に込められた喜びそのもので、その思いだけは時を経ても変わらないということが、司会をする上での心の基軸となっており、毎回新たな心持ちで常に新鮮な気持ちで進行することができています。
 ブライダル司会という仕事は責任が大きく、結婚式というセレモニーの意味をしっかりと理解したうえで、新郎新婦が新家庭を築くための新たな一歩を幸せいっぱいに踏み出せるよう、会場の雰囲気を演出しなければなりません。そして、2人が懸け橋となってつないでいく両家の絆もしっかりと結んでいただけるよう心配りをするなど、マイクを持って喋(しゃべ)りながらも会場全体の雰囲気を常に把握し、和やかな進行と演出になるよう心掛けます。もちろん、新郎新婦のご意向や希望に沿ってというのが大前提です。
 また結婚披露宴は司会者だけの技術や力でこなせるものではなく、新郎新婦と一緒にプランを立ててきたウエディング・プランナーと、その仕事を引き継ぎ、披露宴当日をスムーズに運ぶ、会場のサービス・スタッフとが三位一体となって初めて素晴らしい披露宴になるのです。
 秋はブライダルの人気シーズン。私にとって新郎新婦との打ち合わせのお時間はとても大切で何より楽しい時間です。さぁ! 幸せのお手伝い、これからも心をこめて頑張ってまいります♪
(石底マキ ナレーター、パーソナリティー)