コラム「南風」 海での時間の過ごし方


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 今日は久しぶりに予定の入っていない休日だったので「青の洞窟」にシュノーケルに行ってきました。秋晴れで穏やかな海、絶好のシュノーケル日和でした。カヤックでビーチから洞窟へ向かい海に入りました。洞窟の中で見る海の青は、差し込む太陽の光の加減で色が変わり、海の中も水面もとても神秘的でした。

 私がシュノーケルに魅せられたのは約10年前です。泳ぎに出掛けた海で偶然3メートルを超える大きなエイの群れと出会いました。数えてみると16匹もの群れがゆっくり羽ばたくように私の浮かぶ海の下を通り過ぎて行きました。息をのんで見つめた瞬間を今でもはっきり覚えています。それから水中防水のカメラを買い、海ガメやチョウチョウウオ、クマノミなどを探しに出掛けることが私の趣味になりました。もちろんまたエイの群れにも出会いたいのですが簡単には会えないものです。
 海の中は同じポイントでも、太陽の光や波の立ち具合、そこにいる生き物によって大きく姿を変えるので飽きることはありません。そして海の中だけでなく、プカプカと海に浮かんで空を眺めている時が私にとっては「リラックス」という言葉が一番あてはまる時間のようで大好きです。雑音を遮り海の中の音だけに包まれて、雲の流れや雲の形の変化、飛ぶ鳥を眺めていると、いつも慌ただしく過ごしている自分がやけに滑稽に思えてきたりします。全身から日々の疲れやストレスが取り払われていくような開放感があります。
 趣味は何ですか?と尋ねられたら私は「海」と「旅」と答えます。自然に夢中になれることや、ストレスからリフレッシュできる何かが趣味だとしたら、皆さんにとって趣味はなんですか? 「頑張ることも大事だけど、息抜きだってすごく大事」。時々自分にも、そんな言葉をかけてみませんか。
(小林学美(こばやしまなみ)、天久台病院精神保健福祉士)