コラム「南風」 新米でも気をつけるポイントは一緒


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 この季節になると、新米も多く出ていると思います。お話しておきたいのがお米の保存について。「なんで米には賞味期限って書かれてないの」と思った方いませんか? なぜ、お米にはないのか。お米は精米加工後に袋詰めされたものですが、野菜と同じ農産物扱いになります。なので、野菜に賞味(消費)期限が表示されていないのと同じようにお米にもついていないのですが、その代わりお米には「精米年月日」をつけることが決まっています。

 考えてみてほしいのは賞味(消費)期限のない野菜でも、そのまま置いておけば傷んでしまいます。お米は穀物なので、水分量が野菜にくらべると少ないので長持ちしますが、そのままにしておけば、やはりおいしさは低下します。
 1番は「保管してある状況で、期限が全く異なるため」。気温が高いと虫の発生率は高くなり、湿度が高いとカビの原因になったりします。洗剤などの臭いの強いものの近くだとその臭いが移ることもあります。覚えていてほしいのはお米の置いてある状況で、おいしさや品質が異なるということ。野菜や生鮮食品であれば、記載されていなくても下ごしらえなどを行って、冷蔵庫や冷凍庫に入れたり新聞にくるんで涼しい場所に置いたりするはずです。
 もし、お米に賞味(消費)期限を記載するとします。みんながみんな、同じ保管方法をするでしょうか? きっと、みなさん方法は異なると思います。なので、精米した日から約2~3週間で食べきれるくらいの量で購入してほしいということになります。お米だけが特別ではなくて、お米も食品です。そうめんやパスタ、しいたけや、かつお節も場所を考えないとカビちゃうし、と思うはずです。考え方としては一緒です。農家が一生懸命育てたもの、私たちはおいしく頂く責任があると考えています。
(渡久地奈々子、五ツ星お米マイスター)