コラム「南風」 こんにちは、繁多川図書館です


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 この秋、「本と旅する 本を旅する」のポスターが全国各地に貼り出された。全国読書週間は11月9日に終了したのですが、私の勤務する那覇市立繁多川図書館では読書週間の独自企画展「舞台を旅する」を11月いっぱい続行中です。

 沖縄が舞台として小説や映画の中に登場する資料を那覇市立図書館の全7館から取り寄せ催しました。展示、紹介した資料は80点余。閲覧室の広さも決して十分とはいえない小さな図書館ですが、小説、雑誌、コミック、DVD、CDをフロアいっぱいに展示しています。
 いきなり企画展の話題を持ち出したのには理由があります。実は、つい2週間前、図書館を訪れた利用者からうれしい言葉をいただきました。「いい企画ですね。よくたくさんの資料をそろえましたね。ご苦労さまです」。図書館員にとって、このような温かい声は何よりの励みとなるのです。また、他の利用者からも「私の古里の小さな島が本の舞台になっていたなんて、知らなかった」。その方の読んでみようかなという期待をあおったようです。早速借りて行かれました。
 図書館員の重要な仕事にレファレンス(資料相談)があります。最近の事例をいくつか紹介します。
 「以前、借りたのですが、魔女とスープが出る紙芝居の題名が思い出せないのですが」「最近、刊行された絵本で『いじめ』について書かれたのは…」など。また、本の調査ではないのですが、こんな相談もありました。「おむすびのレシピ本をできるだけたくさん紹介できませんか?」。市立図書館7館から30冊余の資料を提供し、喜ばれました。
 図書館員は利用者の求める本は必ず(極力)探して提供するよう心掛けています。レファレンスは図書館員を成長させる絶好のチャンスなのです。
(平良京子、県子どもの本研究会副会長)