コラム「南風」 海外から見た日本と沖縄 その3


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 インターネットという人類最高の創造物の一つが、本当の意味で国際競争の激化を勃発させ、地理的な制約なしに人と人がつながれる時代が到来しました。「能力が高い人に平等なチャンスがある時代」と共に。単一民族国家で島国である日本ですら、いまかなり熱いクラウドワークスの登場によって、日本人だけではなく、日本語を話せて能力の高い人々全てが競争相手になる時代が来ました。

元グーグル副社長の村上憲男さんは講演で「英語実務能力を培うべき」だと常に仰しゃっています。つまり英語実務能力を高めることによって、日本人・沖縄人も国際競争へと進出することが可能になったわけです。
 そんな時代だからこそ、幼少時から他言語教育を推進し、若いうちから世界を相手に活躍できる能力を育成することに力を集約するべきではないでしょうか。日本語しか話すことができないと島国化思考を増長させ、さらに島の中に籠城することになりますね。情報量も限定されるし、いつも誰かが外の情報を翻訳してくれるのを待つことになります。ましてやその翻訳が合っているのかも分からない。自国で報道されている世界情勢のニュースが正しいのか、フェアな視点から提供されているのか、世界から自分たちがどう見られているのかすらも分かりません。いつまでもこんな状況でいいのか、とそろそろ疑問を持った方がいいのでは?
 個人的には時代に合わない変な年功序列的な慣習が、そういった若い才能の育成を阻害していると感じます。本来なら教育や政治を動かす地位にいる年配の方々が、次の世代の育成に死力を尽くすべきではないでしょうか。「グローバル人材育成」と書いてあるのを日本・沖縄で頻繁に見掛けますが、本当の意味でそれを施行することが今後の鍵となるでしょう。
(仲間将太(なかましょうた)、音楽プロデューサー ギターリスト)