コラム「南風」 感動の旅を届けたい


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 12月2日までの4日間、島根県の中学生を案内した。出雲大社のある県で、10月には「神在月」といわれて全ての神様が出雲に集まる。他の都道府県は「神無月」と呼ばれる。
 そんな町で生まれ育った生徒たちはとても素直で純粋だ。7年前からお世話になっている美ら島観光の松堂運転士とコンビを組んで修学旅行を担当してきた。

型破りの独創的な案内を美ら島の仲里社長と、スタッフが理解し協力してくれたおかげで、美ら島ならではのおもてなし、運転士ガイドの三線ライブが生まれ、たくさんの旅行社や学校から高い評価を頂いた。心に残る旅を届けようと苦楽を共にしてきた。
 私のガイドも少しずつ進化し、後輩ガイドも育ち、美ら島ブランドとして指名が増えてきた。一期一会を大切に運転士とガイドが心を一つに取り組んできた結果、美ら島ファンを増やしてきたと思う。
 修学旅行の最終日、空港へ向かう時、校長先生は「バスのエンジンがまるで心臓の音のように響き、時には早く時にはゆっくりとガイドの話に合わせてスピードを調整する運転士の気配りに感動、最後の夜は三線ライブで盛り上がり最高の思い出ができた。沖縄の人からたくさんの愛を頂いた。心から感謝します」と涙ながらに語った。
 おもてなしの歴史をつづってきた美ら島観光バスの皆さまに感謝の気持ちを忘れず、来年も心に残る感動の旅を一緒に届けていきたい! 創立から10年を迎えた美ら島観光バスを、これまでご愛顧いただいたお客さまに、美ら島ファンの1人として心から感謝申し上げたい。琉球王国時代の先人たちのホスピタリティー精神を受け継ぎ、沖縄観光が限りなく発展していくことを心から願い故郷への思いを託す。『互に肝あわち、ゆがふ年向かてぃ、う栄いみしょり幾世までぃん』 
(崎原真弓(さきはらまゆみ)、バスガイド)