コラム「南風」 沖縄こどもの国にて


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 沖縄こどもの国は、県民の方々にかわいがっていただき、また激励を受け、動物園、ワンダーミュージアム、チルドレンズセンターが運営されています。
 動物園は暖地に生息する動物たち、日本に生息する動物たち、そして沖縄、琉球弧に生息する動物たちの三本柱をもって取り組んでいます。

また在来家畜は文化情景展示として今までに他の動物園では取り組みがない試みも始めています。
 今後は、沖縄の動物が生息する地域、関係機関との連携を図り、沖縄の動物をしっかり保全していかなければなりませんし、動物園は地域に根差した教育施設として要望されています。多様化する価値観の中でどのような視点で見ていただけるのかスタッフ全員で取り組まねばなりません。
 また立地条件としての沖縄は、環境、歴史、民俗などを見ても他地域の動物園より優位にあり、ポテンシャルは高く社会性と独自性のある園を作り上げられると考えています。
 こどもたちに地域を知り、地域を思い、地域を興すこと、そして科学、哲学、芸術性を育む施設としてどのように取り組むべきなのか考えていかなくてはなりません。
 こどもたちが身の回りの事象を捉え、自分の進む方向、生き方、アイデンティティーの帰属についても哲学的志向、科学的判断を前提に人生設計のセンスを磨いてもらいたいと思っていますし、問題提起と試み、創造思考を錬磨しながら答えを導き出していく環境を整備していきたいと考えています。
 沖縄ならではの発想を持つ人材が数多く活躍してくれるよう、沖縄こどもの国がその一助となるべく「人を作り環境を作り、沖縄の未来を作る」という理念をもって、こどもたちの素晴らしい芽を育んでいけたらと思っています。
(高田勝(たかだまさる)、沖縄こどもの国専務理事・施設長)