コラム「南風」 夢・おぼえていますか


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 夢を持たない人間は輝きと魅力を失い、退屈な存在だと思います。僕が興味を持つ人のほとんどが夢を追い続けて成功している人たちだし、彼らは人間的に面白い。僕もそう在りたい。周りが普通の安定した仕事をして家庭を持ち「大人になっていく」のを見ると、そんな人生もいいかも、と思ってしまうこともあります。しかし僕は何があっても自分の夢を手に入れたい。もっと大きくなりたいし、まだやりたいことの10%も達成していない。何万人のお客さんを入れても、終わりは全く見えない。くじけそうになってもつらいことがあっても、やりたいことをやり続け、夢を追って前に進むことが僕という存在を創り上げるのです。

 いつ沖縄に帰ってくるのか、帰ってきて島に恩返しをしなさい…と帰沖するたびに言われますが、僕からしたらそんなの恩返しでも何でもないし、逆にそういった思考が沖縄をダメにしていますね。沖縄から世界で活躍するリーダー的存在(プロデューサーや社長クラスの人材)が出てこないことには、この小さく何もない島は今までと何も変わらず、やりたいことも見つからず苦悩する若い人たちが減らない。みんなの目標になり、夢を生む存在がいないといけないからこそ、僕はこれからも外の世界で頑張るのです。広い世界で活躍することが、本当の意味で沖縄に貢献することを知っているから。それが真の「世界のうちなーんちゅ」だと思います。
 半年続いたコラムもこれにて終焉(えん)。本当はもっと突っ込んで書きたかったこともありますが、新聞を購読するほどの知識人の方々は、いろいろ省いても僕の意図を正しく理解してくれるだろう、と考えながら書き続けました。最後に、僕をいつも応援してくれる父親、母親、演奏家やスタッフ、そして大事な珊瑚(さんご)に感謝。
(仲間将太、音楽プロデューサー ギターリスト)