コラム「南風」 ストリートダンスの魅力


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 私は現在、保育園から小学校高学年までの子どもたちに、ストリートダンスを出張で教えています。ダンスには「格好良い」「楽しい」「健康的」な魅力があります。激しいリズムで踊るダンサーの躍動感に、目がくぎ付けになる方も多いのではないでしょうか。

 好きな音楽に乗せて身体を動かすのは気持ちが良く、練習の成果を発表する機会があれば、大きな達成感や充実感を得ることができます。また、上達のためには体力の向上と体幹を鍛えることが必要です。子どもの運動不足が問題視される昨今、ストリートダンスは、その解決策になると思います。
 そんな私もストリートダンスの魅力に取りつかれた一人。高校時代にとりことなり今年で9年目を迎えます。当初は踊るだけで満足でしたが、大学時代の三つの出会いがこれを仕事にするきっかけとなりました。
 一つは、カナダ留学中に出会ったダンサーです。彼は少年院でレッスンをしていました。ダンスを通じて社会復帰の支援をする彼の活動は、私の「ダンサー」概念の枠を超え、非常に感銘を受けました。
 二つは愛知県の障がい者専門のストリートダンス指導者です。リハビリの位置づけで行うスパルタ指導にもかかわらず、生徒たちは必死になって練習していました。その真剣さに衝撃を覚えたのと同時に、ダンスは困難を乗り越えるためのパワーを秘めていると確信しました。
 最後、私が起業家精神を学んだビジネススクールです。ダンスの魅力を社会にどう役立てるのか、その手段と方法の基礎を教えていただきました。
 ストリートダンスにみせられ、その良さを多くの方に伝えるために、私は活動しています。今はまだ微力ながら、できることを着実にこなして、活動の場を広げたいと思います。半年間、よろしくお願い致します。
(伊狩誓志(いかりちかし)、ストリートダンス講師)