コラム「南風」 避妊について


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 私の知り合いには「できちゃった結婚」した人が結構たくさんいます。かくいう私もその一人です。そんな私ですが、今では避妊をしっかりするように皆さんにお勧めしています。

 今や結婚するカップルの4組に1組はできちゃった結婚で、さらに授かり婚やおめでた婚などと肯定的な呼ばれ方もされるようになっています。晩婚化や少子化の問題が深刻な現代では、それを歓迎する声も少なくありません。
 でも、未婚であれ既婚であれ、もしもその予定外の妊娠が望まない妊娠であったとすれば、必ずしも手放しでは喜べません。もちろん、その結果がハッピーエンドなら良いのですが、予期しない妊娠から産めない選択をせざるを得なかったり、妊娠をきっかけに結婚したけど、うまくいかなかったり…そういう話は決して少なくありません。
 だから、もしまだ子どもは欲しくないと考えているのであれば、ピルや子宮内避妊具など99%の避妊効果のある確実な避妊方法を選択するべきです。避妊はコンドームだけという方が多いのですが、コンドームが破れたり外れたりして慌ててアフターピル(緊急避妊薬)の処方を受ける方もいます。でも、アフターピルでは、継続して内服するピルより避妊効果は下がってしまいます。コンドームだけの避妊だったら失敗率は最大15%もあります。膣外射精は避妊ではないので、1年間で最大85%の妊娠の可能性があります。
 私の知人には、長期の不妊治療の末、体外受精で3人の子を授かった後に、43歳にしてまさかの自然妊娠で出産をした人もいました。だから、絶対に妊娠しないということはないと思います。私は産婦人科を開業した際に、子宮内避妊具を入れました。私も3人目と4人目で不妊治療の経験がありますが、これ以上妊娠の予定はないからです。
(島袋 史、ゆいクリニック院長 産婦人科医)