コラム「南風」 ある先輩からのメッセージ


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 南灯寮の食堂の壁の一つは書棚になっている。高校の卒業文集のようなものが目に留まり手に取ってみると、当時(一九九〇年頃と思われる)の寮生が残した文集であった。

 寄稿数四十八、おそらく寮生全員である。寮生のまとまりの良さが感じられるが、当時の南灯寮や学生生活の一端に触れることもでき興味深く読ませて頂いた。その中から、四年生(IY君)の一文を紹介したい。表題は「大学生活を振り返って」、四つの教訓で四年間を振り返っている。
 一年目の教訓「授業をさぼってはいけない」授業をさぼった結果単位を多く落としたらしい。二年目の教訓「悪魔のささやきに乗ってはいけない」授業に出席するようにはなったが麻雀に誘われ、飲みに誘われ、大学に行かない日が増えていき、また多くの単位を落としてしまった。
 三年目の教訓「彼女は早くつくった方がいい」日々の生活に張りがなく、遊びがほとんど男同士であることに気付き(重大な気付きだったと述べている)、彼女を求めて頑張ってはみたものの空振りに終わり、これまで通り一人でクリスマスを過ごしたようだ。
 四年目の教訓「俺の真似をしてはいけない」以上の教訓を守れば充実した大学生活を送ることができるでしょうと結んでいる。大学で勉学に励む学生諸君、先輩の残した教訓今日でも活きているように思いますが如何ですか?
 最後の一言がある「但し、保障はしません」と。どうやら学生生活にはもう一つ教訓が必要のようである。後輩への宿題のようにも思えるが、それぞれで見つけてみてはどうでしょうか。
 IY君、無断でご紹介させて頂いたことお詫び致します。ところで大学無事卒業しましたか?今どうしておられるでしょうか、勝手ながら気になります。
(大山清、沖縄県県外学生寮南灯寮寮監)