コラム「南風」 名前の付け方


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 弁護士の事務所は法律事務所と呼ぶことになっています。
 法律事務所の名前の付け方はさまざまです。所属する弁護士の名前をそのまま法律事務所の名前にするというのが多いです。フルネームのこともあれば名字だけのこともありますし、弁護士の下の名前を付けることもあります。

もう一つ多いのは法律事務所が所在する地域の名前、例えば、「コザ」「とみしろ」というように名前を付けるパターンです。
 沖縄の法律事務所は沖縄にちなんだ言葉を名前に付けることも多いです。私が今、思い出せるだけでも「ゆいま~る」「でいご」「てだこ」「ふくぎ」「ニライ」などがあります。また沖縄の法律事務所には「ゆあ」「ゆい」「ユー」があります。今後「ゆえ」「ゆお」が登場すればコンプリート(?)します。
 私の所属する事務所の名前は「そよかぜ」です。「そよかぜ」は所長弁護士が付けた名前であり、沖縄の青い空のもと、爽やかに吹くそよ風をイメージさせる良い名前なのですが、一つ問題があります。それは、事務所の名前を間違えられてしまうことです。私自身、他の法律事務所の弁護士から「青空法律事務所」と言われたことがありますし、依頼者の方から「さわやか法律事務所」と言われたこともあります。どうも「そよかぜ」というのは色も形もないものなので、「そよかぜ」のイメージと結びつく他の言葉が出てきてしまうようなのです。沖縄には「さわやか」という法律事務所はないのですが、「あおぞら」と「うるま・あおいそら」という法律事務所はあるので要注意(?)です。
 私自身は熱血と思われているようで「そよかぜ」じゃなく「熱風」だと他の弁護士から言われますが、できれば、そよかぜの吹くようなさわやかな仕事を心掛けたいものです。
(大井 琢、弁護士)