コラム「南風」 ラジオと私


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 エフエム沖縄が9月1日に開局30周年を迎えました。私も夕方の番組のパーソナリティーとして、記念イベントや特別番組に出演し節目の時を一緒に過ごすことができました。今回はラジオと私のこれまでの関わり方についてお話したいと思います。

 ラジオを聴き始めたのは小学校3年生の時です。学校から帰ってくると、母親が自宅でラジオを流しながら、家事をしていました。いつもより早く帰ると「ハッピーアイランド」、日直やクラブ活動で帰りが遅くなると確か「For PM」が流れていて作業をする母の横で宿題をしながら放送を聴いていました。
 ラジオは特に毎日の日記を書くときに役に立っていました。「何かを食べた時には、おいしいって書くより、味わい深いって書いたらかっこよくなるな」「楽しいって書くより、満喫っていう表現を使ったら友達よりも面白い日記になるかも」。スピーカーから聴こえてくる大人の会話は、新しい世界を見せてくれました。学生時代は試験前になると深夜ラジオを聴きながら眠い目をこすり「夜中も毎日起きている人たちはすごいな」と、自分と違う時間帯に生活する人に感心しつつ頭に勉強の内容が入っているような入っていないようなもうろうとした夜を過ごしました。
 昨今ラジオ離れが進んでいると言われています。私が学生の時からそう言われていましたが、私自身はいつもラジオが生活の中にありました。そして最近職業講話でお邪魔した中学校の生徒たちも、1学年の半分以上の生徒がラジオは聴いていると教えてくれました。
 まだまだラジオは元気だと思う一方、わたしが与えてもらった発見や新しい世界を自分より若い世代に届けて、バトンをつないでいけるよう自分自身の感性や表現力を磨いていきたいです。
(山田真理子、フリーアナウンサー)