コラム「南風」 高校教諭のころ


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 学校の教育活動は多様である。核となるのは授業、ホームルーム活動、学校行事、そして部活動である。現場の先生方は今日も十分な事前準備のもとに生徒の指導に当たっていることと思う。活動の延長線あるいは合間には愉快なやり取りも数多い。いわば教育活動のスパイスのようなものでもある。気軽に読み飛ばしていただきたい。

 生徒「先生、規則は何のためにあるんですか?」。先生「規則が必要ないと思っている君のためにあるんでしょ」。生徒「ん?」
 生徒「先生、勉強は役に立つんですか?」。先生「君にとって役立つかどうかは分かりません、でも普通の人にとって勉強以上に役立つものを私は知りません」。生徒の表情「私って普通?」
 生徒「なぜ受験に関係ない科目も勉強しないといけないの?」。先生「ファストフードだけ食べていると肥満になったり病気になったりするでしょ」
 難関大学の問題を抱えて生徒がやってきた。「先生、この問題解いてみてください」。先生が答える。「この問題を解答しても君の学力では理解できないだろうから止めておくよ」。教師を試すための質問だと見抜いて答えたのか、解けないからなのかは定かでない。
 制服のネクタイを着用するよう注意された女生徒「先生もネクタイしてないでしょ!」。先生「分かりました。私も明日からネクタイをしてきましょう」。以後その先生は自分の言葉を守ったが、女生徒は以前にも増して寄り付かなくなってしまった。信頼関係を築くつもりだったのだが。
 授業から戻った女教師が訴える。「(授業中机に伏せている生徒について)あの生徒起こせないのよね!」。同僚の一人「どうして?」女教師「だって起きているんだもん」。起きている生徒をさらに起こすことはできないのである。学校は何と楽しいところだろう。
(大山清、沖縄県県外学生寮南灯寮寮監)