コラム「南風」 「おしゃべりインコとの暮らし」


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 鳥のかわいさについて語っても反応はイマイチです。目が怖いとか、足の色が不気味という言葉が返ってくるので残念です。実はわたしもかつては鳥がそこまで好きというわけではなかったのですが、鳥へのイメージがガラッと変わったのが、自宅にやってきたセキセイインコでした。

名前はオーソドックスに「ピーちゃん」、蛍光色の黄色と緑が眩(まぶ)しい雄です。はじめは家族が手や肩に乗せている姿をみて「噛(か)まれたりしたら怖いなぁ」と思っていたのですが、いざ肩に乗せせてみると、あらかわいい。軽いし動物特有のニオイもほとんどなく、むしろ干し草のような麦茶のような香ばしい香りがするのです。おとなしくオブジェのように肩にちょこんと乗っかる姿が何とも言えず、一気に鳥が好きになってしまいました。
 セキセイインコの雄は、言葉を教えたらしゃべる鳥が多いようです。ピーちゃんもよくしゃべるのですが、自分の名前「ピーちゃん」、他にも「おはよう」「やっほー」という言葉はマスターしています。家族の癖も知っていて、誰かが飲み物を飲んでいると「プハー」「ハイ(返事)」は「ハイハイ」。「ハイ」は1回が人間界としては望ましいのですが、きっとそこまでは理解できないと思うのでこちらが気をつけるしかありません。
 人がしゃべる言葉以外にもいろんな音に興味があるようです。パソコンをしていると、キーボードがカタカタ鳴る音や、キーの上を不規則に動く人間の指が面白いのか指を突っついたり、勝手にいろんなキーを押してくるのが困りものです。このコラムを書いている時も大変です。突(つつ)かれないようフェイントをかけながら原稿を書くので非効率的ですが、今回の原稿を書いている時にはちょっかいを出して来ないから不思議。自分が主役というのが分かっているのでしょうか。
(山田真理子、フリーアナウンサー