コラム「南風」 「琉球犬チェリー」


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 わが家の愛犬は7歳のメスの琉球犬です。名前はチェリーです。もともとは妻の実家で飼われていたのを、私たち夫婦が引き取らせてもらったのです。

 琉球犬というのは、全体的にこげ茶色の虎模様(トゥラー)です。チェリーは顔も全体的に黒に近いこげ茶色のため、見た目で怖いと思われる方もいます。でも、よく見たらまつ毛(みたいな毛)が長くて美人です。胸のあたり(前足の間)の毛が白い琉球犬がジョートー(上等)だ、と何かの本で読んだことがありますが、チェリーも胸のところの毛が白いジョートー犬です。
 チェリーは幼いころ、親やきょうだいと離ればなれになったためか、なかなか他の犬と仲良くなれません。チェリーと散歩中に他の犬が散歩していると、そちらを興味ありげに見ているのですが、その犬がいざ近づいてくるとしっぽを巻いて逃げようとします。犬は飼い主に似る、と言いますが、やや人見知りの気がある私たち夫婦に似てしまったというのもあるかもしれません。
 チェリーはインドア派です。チェリーが妻の実家にいたときは、外の犬小屋で暮らしていたのですが、私たち夫婦の家に引き取られてきた後、外の犬小屋から玄関へ、玄関から居間へといつの間にか移動していき、今では、家の中を自由に歩き回っています。
 チェリーの趣味は、散歩のときに匂いを嗅ぐことです。道路脇の雑草や道路の染みの匂いを重点的に嗅いでいきます。でも基本的にインドア派なので散歩の途中でくるりと方向転換して家に帰ろうとすることもあります。
 チェリーが庭に出ているとき、庭の外に人を見かけると吠(ほ)えます。たまにうっかり元の飼い主である妻の父にも吠えてしまい、途中で気づいて慌ててしっぽを振っていることがあります。
(大井琢、弁護士)