有料

主要6空港の排水をウイルス調査 万博による訪日客増を見据え 那覇は既に開始


主要6空港の排水をウイルス調査 万博による訪日客増を見据え 那覇は既に開始
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 2025年大阪・関西万博開幕により訪日客の大幅な増加が見込まれ、感染症が流入する危険性も高まることから、国の医療研究を支援する日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が、国内主要6空港の排水に含まれるウイルスの調査を検討していることが8日、関係者への取材で分かった。24年4月の開始を目指す。新型コロナウイルスに加え、デング熱やエムポックス(サル痘)など約30種類の感染症を分析する。

 世界的な渡航制限が解除され、23年10月の訪日客数は新型コロナ禍前を上回った。

 関西万博では約350万人の訪日が見込まれており、研究班の北島正章・北海道大准教授は「海外から感染症が入り込んでも、排水を調べればいち早く覚知できる。早期の実用化を目指したい」と話している。

 研究班は北海道大や大阪大などの研究者で構成。那覇など一部空港では23年秋から先行して調査を始めた。成田、羽田、中部、福岡の各空港でも調査に向けた交渉を進めている。

 調査では、北海道大などが開発した新型コロナ検出法を活用。航空機やターミナルから出た排水を、空港施設やマンホールなどから採取し、まとめて週1回から月1回程度の頻度で分析する。

 新型コロナの新たな変異株や、国内未確認のウイルスも検出可能。確認された場合は、分析の頻度を増やすなどして対応する。

 一部の自治体では、下水などから感染状況をつかむ研究を進めている。こうした下水調査は、主にウイルス量の増減を調べているが、今回はウイルスの有無そのものの検出に主眼を置く。

(共同通信)