本島北部で9月後半ごろから、植栽や野山に多くのチョウが集まる光景が見られている。本部町の海洋博公園内にある熱帯ドリームセンターでは、数多くのシロオビアゲハやジャコウアゲハが集まり、花の蜜を吸う様子が確認された。
やんばるの野生生物に詳しい、写真家の湊和雄さんによると、今年は特に名護市から本部半島にかけて、アゲハチョウやマダラチョウの仲間が大発生している。湊さんは「はっきりとした原因は分からないが、温暖化の影響で発生パターンがこれまでと異なっている可能性もある」と語った。
熱帯ドリームセンター内では、9月後半ごろからペンタスやランタンの花にチョウが多く集まるようになった。入り口付近にあるペンタスには、無数のシロオビアゲハが集まり、訪れた人が写真を撮るなどして楽しんでいた。
担当者によると、アゲハチョウの仲間やツマベニチョウなどが多く見られるという。担当者は「これほど多くのチョウが集まることは、これまでに経験したことがない」と話した。
湊さんによると、沖縄では8月ごろから昼間に活動する虫が少なくなる「夏枯れ」と呼ばれる状態になる。しかし、この2~3年は8月から虫が増え始め、9月から10月に数が多くなる状態が続いているという。
湊さんは「台風6号から約2カ月後に発生していることを見ると、台風の襲来がかえってチョウの発生に良い影響を与えた可能性もある。今後は温暖化を含め、影響を注視すべきだ」と述べた。
(池田哲平)