生徒の元へ絵を返したい! 那覇地区で中学の美術、赤嶺先生が保管の作品 沖縄


生徒の元へ絵を返したい! 那覇地区で中学の美術、赤嶺先生が保管の作品 沖縄  故赤嶺政守さんの自画像
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 【那覇】約25年前に中学校で書かれた絵を持ち主に返したい―。那覇市久米在住の松長茂さん(69)が、中学校の元美術教師で、2年前に亡くなった故赤嶺政守さんが保管していた教え子たちの絵の返却先を探している。「赤嶺さんが熱心に教えたことがうかがえる上手な絵ばかりなので、当時の生徒たちに届けたい」と語る。

故赤嶺政守さんが保管していた教え子たちの絵や版画

 松長さんにとって赤嶺さんは浦添高校時代のソフトテニス部の先輩。赤嶺さんの遺品整理の際に、大切に保管されていた絵や版画、ポスターなど約100点を見つけたという。

 コンクール出展作品などもあり、学校名や学年、氏名などの記述から、中学校は城北、浦添、鏡原、那覇、古蔵の各校を把握できている。

 古本などを収集し、自身のルーツを研究する松長さんは「昔描いた絵が手元に戻れば喜ぶ人もいるかもしれない」と、持ち主捜しを開始。昨年、浦添市経塚であったイベントで持ち主を探すため絵を展示したところ、城北中27期生の男性が名乗り出たという。

約25年前に描かれた絵の返却先を探している松長茂さん。イラストは故赤嶺政守さんの自画像=17日、那覇市久米

 赤嶺さんの話や資料などから、当時絵を描いた生徒は現在35~40歳と推測している。ただ、学校側に問い合わせても個人情報を理由に協力は得られなかった。そのため、報道や人づてで情報が広がり、かつての生徒たちに届くのを期待している。

 松長さんは「一枚でも多く返却先を見つけたい」と気長に待つつもりだ。問い合わせは、電話090(4471)4880。

 (嘉陽拓也)