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沖縄慰霊の日大闘牛大会 ひとり親世帯・子ども食堂を支援 23日午後1時、うるま石川ドーム


沖縄慰霊の日大闘牛大会 ひとり親世帯・子ども食堂を支援 23日午後1時、うるま石川ドーム
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄慰霊の日大闘牛大会(北部闘牛組合主催、琉球新報社共催)が23日、午後1時からうるま市石川多目的ドームで開催される。入場料は男性3千円、女性2千円、中高生千円、小学生以下は無料。取組はベテラン牛から初陣を迎える新牛、沖縄初場所の牛などによる激戦必至の全10組が予定されている。また、今大会はチャリティーの一環として今帰仁村謝名出身の仲宗根久也氏(同組合)より、ひとり親をサポートする団体やこども食堂を運営する団体へ50万円が支援金として贈られる。

 (平川智之通信員)


■シーの1番 全勝工業カキヤー×南星朱蘭 ファン垂涎、カケ技頂上決戦

 とりを飾る結びの大一番は闘牛ファン垂涎の一戦、全勝工業カキヤーと南星朱蘭のカケ技頂上決戦が実現する。

 両牛の沖縄での戦歴をみると、全勝工業カキヤーは8勝5敗。南魁龍、南星武虎、アカジン、柿乃花ホワイトフェイス、南部王、東照宮、徳田アコーに勝利。約1年の休養を経て出場した4月の大会では剛毅を下している。

 特に注目したいのは負けた相手だ。黒獣王約32分、新力Baby約20分、刃誡皇約10分、赤番頭約47分、勢頭カキヤー約11分と名立たる相手と互角に渡り合いもう一歩というところで惜しくも敗れている。見て分かる通りタイトルこそ縁が無いもののその実力は県内でもトップクラスだ。

 対する南星朱蘭は、5勝3敗。アカジン、上地龍王、大嵐、一撃パンダ、二代目武捷龍に勝利した。

 赤番頭とは約27分の激闘の末惜しくも敗走。初の全島大会出場となった昨年5月の第118回春の全島闘牛大会では、若手ナンバーワンと勢いのあるバブルと対戦。序盤から得意のカケ技で攻め込むが、バブルの体重差をいかした攻撃に押し切られ敗れている。

 直近4月の心美花形(元・闘勢神玖)との対戦では、開始直後から一気に畳みかける攻撃をみせるがわずか2分弱で自ら戦列を離れあっけなく敗走した。南星朱蘭らしくない負け方だっただけにこの敗戦の影響を引きずらないか心配される。

 カケ技を得意とする両牛の勝敗を左右するのはやはり首力の強さだろう。

 主導権争いのつばぜり合いを制して角を掛け、いかに相手の首をねじ曲げられるかが勝負だ。


■シーの2番 炎鵬×友羽総業天王鬼 「殺し屋」対万能型、序盤が鍵

 シーの2番軽量級スペシャルマッチの炎鵬対友羽総業天王鬼(元・勝山天王)は、両牛の激しい角さばきから繰り出すツキ技やワリ技、腹取り速攻の応酬で開始から観客の目をくぎ付けにする荒技対決となるだろう。

 炎鵬の鋭く尖ったトガイー角を駆使したツキ・ワリの波状攻撃からの爆弾速攻は破壊力抜群だ。一気に決着を付けるそのスタイルは、まさに「殺し屋」と言っても過言はないだろう。

 これまでに楚南白虎、田空など、直近では大蛇丸(元・伊波重機S53年生)に勝利している。勝った試合はいずれも3分以内の短期決着で相手を圧倒している。

 黒星は2022年3月徳之島でしらみず凰樹(元・樹里)に12分半、昨年1月葵冠に11分弱で敗れた2敗のみ。

 一方、友羽総業天王鬼は、決して長いとは言えない上向きの角をうまく使い的確に相手の眉間を捉えるワリ技と腹取りを得意としている。

 戦歴は7勝2敗。二代目赤獣王、楚南花形(元・琉球煌荒)、友羽総業覇鬼などに勝利。直近では4月に黒猿を危なげなく下している。

 昇(マチー大城)龍に35分半と突撃白嵐に24分半で敗れこちらも2敗のみ。短期戦の決定力はもちろんのこと高いディフェンス力で持久戦を戦えるスタミナも兼ね備える万能型だ。

 友羽総業天王鬼が序盤の炎鵬の怒涛の攻撃を守りきれるかどうかが鍵を握りそうだ。

 過去の対戦結果からみれば勝負の分かれ目は10分前後だろうか。


■シーの6番 源勝采×渡具知尾白 中量級強豪に新鋭挑む

 シーの6番は、中量級の強豪牛・源勝采と沖縄移籍後2連勝と波に乗る渡具知尾白が激突する。

 源勝采は鋭く長い角を使ったカケ技で相手を押し込み一気に腹取りを狙っていく戦い方を得意とする。戦歴は5勝2敗。

 徳之島では山田牛虎(元沖縄軽量級王者・彪獣王)に初黒星を付けるなど高い評価を得ていた。

 デビューから4連勝し、昨年の正月大会で当時の徳之島中量級王者・基山八宝に挑戦。善戦するがチャンピオンの高い壁は超えられず4分52秒で敗れた。

 沖縄初戦は、昨年9月に闘勢神玖と対戦し9分8秒の激闘の末惜しくも敗走。連敗から気持ちを切り替え臨んだ2月の復帰戦では、剛毅に5分25秒で勝利している。

 対する渡具知尾白は、2022年徳之島でデビュー戦を二代目いおりちゃん真捷白虎と戦い、敗れたのを機に沖縄へトレードされた。沖縄初戦は昨年10月の読谷まつり闘牛大会でまちかんてぃと対戦し4分4秒で勝利している。

 続く2戦目は5月の読谷・東恩納合同ナイター闘牛大会で関東(輝)金星に不戦勝。

 得意技はガン角を使ったワリ技とカケ技。今大会で4戦目ということもあり、その実力は未知数だ。

 タイトルマッチの経験もある源勝采に新鋭の渡具知尾白がどう挑むか注目される。