くらし

街がレインボーに染まった アジア最大規模の「台湾LGBTプライド」【写真17枚】

 アジア初の同性婚が今年5月に法制化された台湾で10月26日、性的マイノリティーや支援者らが共に歩く「台湾LGBTプライド」が行われた。アジア最大規模のパレードで、過去最多の約20万人(主催者発表)が参加した。沖縄からの参加者も「全ての人に平等な権利を」などと訴えた。熱気と興奮に包まれた台北の様子をルポする。

(真崎裕史)



以前よりも尊重


 街がレインボーカラーに染まっていた。午後1時、台北市政府前広場。旗、頬のペイント、スカート…。多様性を表す虹色があちこちにあふれ、参加者は写真を撮ったり抱き合ったりしていた。

 「台湾は良い方向に向かっている。私たちも以前より尊重されていると感じる」。そう話すのはレズビアンの陳一安さん(25)=台南市。今回は香港市民との連帯を訴えるプラカードを持参した。参加者のメッセージ性の強さも台湾パレードの特徴だ。



 午後1時半、パレードがスタートした。コースは総統府前まで台北中心部を歩く約5・5キロ。人いきれですぐに汗がにじんでくる。フロート(台車)には華麗にメーキャップしたドラァグクイーンや引き締まった肉体を見せる人らが登壇。その後に、思い思いのファッションに身を包んだ人やカップルらが続く。

 那覇市のゲイの男性(41)は5年前から参加している。「毎年人が増えていて楽しい」。自身のセクシュアリティー(性の在り方)は、家族にも同僚にも話していない。「理解のある人が沖縄でも増えてくれたらうれしい」

権利獲得の喜びあふれ

 プラカードのメッセージもさまざまだ。

 「知識戦勝恐懼(知識で恐怖を克服できる)」「尊重多元、擁抱差異(多様性を尊重し、違いを受け入れよう)」。衣料品大手のギャップやグーグルなど、グローバル企業も多く参加していた。「多様性」は今や世界共通のキーワードだ。

 NPO法人「東京レインボープライド」のフロートがやって来た。白地の旗に「らしく、たのしく、ほこらしく」の文字。大音響のクラブミュージックに合わせ、参加者がうねり歩く。沿道の人たちはその様子をスマートフォンで撮影。車中からも手を振る。一見すると、どこまでが参加者か分からない。


「東京レインボープライド」のフロートの先導で歩く人たち=10月26日、台北市

 先頭を歩いたゲイの南定四郎さん(87)=うるま市=は「すごい熱気で、時代を反映している。自分たちが獲得した権利(同性婚)への喜びがあふれている」。レズビアンカップルで、昨年、大阪市から結婚相当の「パートナー」として公認された井上ひとみさん(40)、瓜本淳子さん(39)は「法的な保障がない上、市外に引っ越したら家族と認められない。国に認めてもらいたい」と力を込めた。

 台北の大通りは参加者でごった返し、パレードはなかなか進まない。日没になってもゴールは見えない。しかし疲労と反比例するかのように、パレードは盛り上がっていく。音楽に合わせて飛び上がり、歌う。さながら「動くクラブ」だ。ゴール会場に掲げられた言葉は「be proud.」。誇りを持って生きよう―。どの顔も誇らしげに輝いていた。

   ◇   ◇

 同性婚を禁止する国もあるため、世界共通の目標にできないとしてSDGsはLGBTに言及していない。しかし「誰一人取り残さない」との理念にはLGBTも含まれるとの考え方がある。


暗闇に翻るレインボーフラッグ。街が虹色に染まった

















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