玉城氏、辺野古で国に協議要請 沖縄県知事選初当選「対話で解決策を」


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米軍普天間飛行場の閉鎖・返還実現に強い意欲を示す玉城デニー氏=1日、那覇市の琉球新報社

 琉球新報社は1日、沖縄県知事選で初当選した玉城デニー氏(58)を那覇市泉崎の本社に招き、インタビューした。過去最多の39万票余の得票について、故翁長雄志知事から引き継いだ名護市辺野古の新基地建設阻止の公約が多くの県民に支持されたとの認識を示すとともに、米軍普天間飛行場の閉鎖・返還の実現に強い決意を示した。辺野古埋め立て承認撤回の効力を停止させようと国が検討する法的対抗措置に対しては「対話によって解決策を求めていく民主主義の姿勢を政府に求めたい。裁判の乱発は控えるべきだ」とくぎを刺し、民意を受けて誕生する新県政との協議に応じるよう訴えた。

 優先したい取り組みとして、3年後に迫った沖縄の日本復帰50年以降の新たな沖縄振興の制度設計を挙げ「自立型経済を構築し、そこで得られる収益を優しい社会の実現に回していく。『新時代沖縄』と『誰一人取り残さない社会』の政策は車の両輪だ」と強調した。

 貧困の連鎖を絶つための「中学・高校生のバス通学無料化」「子育て世代包括支援センターの全市町村設置」といった知事選の公約の実行に向け、未来を担う人材への投資に財源を柔軟に振り向けられる行財政改革に意欲を示した。

 また「沖縄がアジアの平和の緩衝地帯になることを体現する」と述べ、経済、文化、教育などの各分野で周辺諸国や民間協力組織との交流を促進する「万国津梁会議」の設置を掲げた。

 県議会で条例案が審議に入っている辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票については「県民投票と知事選挙は軌を一にするものと捉えている。県民投票でもう一度県民の皆さんに新基地建設の是非を問うことは重要な民主主義の手法の一つだ。その観点で各市町村にも協力を申し入れたい」と述べた。