<未来に伝える沖縄戦>弟の死後、日本が降伏 當眞嗣長さん(81)下


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 《安全を求め、恩納岳の南に身を潜めていた當眞嗣長さん(81)とその家族。中南部から逃れてきた日本軍の敗残兵も合流し、民間人も巻き込んだ戦闘は激しさを増していきます》

 5月27日から2晩は、米軍が引き揚げずに昼夜ずっと戦い続けていた。恩納岳には、中南部から避難してきた民間人もいっぱいいる。地元の人とは違い、頼れる人もなくて、雨期に入っていて隠れるような場所もない。銃撃戦が激しくて、どちらの弾に当たって死んだのか見分けがつかなかった。それに栄養失調やマラリアも発生して、多くの犠牲者が出てしまった。
 特に年寄りは自由に歩けないから、仕方なく避難小屋に潜んでいる。すると、日本兵がいると思った米兵が、そこに火を放ち焼き払ったり、手りゅう弾を投げ込む。焼いたヤギみたいに丸焦げになった年寄りの遺体があちこちにたくさんあるわけ。本当に惨めだなと思ったよ。

※続きは2月26日付紙面をご覧ください。