<未来に伝える沖縄戦>目の前で火炎放射 安里清次郎さん(77)下


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 《東風平で米軍の爆撃によって母を亡くした安里さんは姉と妹、親類家族とともに、糸満市へ。逃げ惑う中、市真栄平で米軍の火炎放射機で姉妹を亡くしました》

 糸満市国吉にいた時、那覇や首里から来た連中は一つの家にいたけど、そこに米兵が来てね。男だけを一カ所に集めて、カービン銃でパラパラパラと撃ち殺した。後で聞いたら、沖縄での米軍最高責任者のバックナー中将が付近でやられた後だったらしい。私は柱に隠れていた。後で地元の人に聞いたら、遺骨は全部、魂魄の塔に納められたらしい。

 国吉の後は、糸満市真栄平の民家に避難した。そこに、負傷した日本兵が避難してきた。姉と妹は床下に隠れていてね。6月20日、私は好きだった馬と遊ぶために敷地内の少し離れた馬小屋にいた。すると、日本兵を追って来た米兵と戦車が攻めて来て、私の目の前で民家に火炎放射した。炎の中で動く日本兵は米兵がみんな撃ち殺しよった。床下にいた姉と妹も一瞬で黒焦げになってしまってね。そこで捕虜になった。その時、民間人は十数人しかいないけど、日本兵はいっぱいいた。「この連中は戦争しないでどこに隠れていたかね」と言い合ったよ。

※続きは4月15日付紙面をご覧ください。