<未来に伝える沖縄戦>壕に米兵、保護される 大田登美子さん(82)下


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母や親戚と共に本島南部を逃げ回った経験を基に「戦争は絶対に起こしてはいけない」と話す大田登美子さん=19日、浦添市

 《家族8人を亡くした大田さんと母は親戚の又吉家の人たちと本島南部へ避難します。現在の那覇市与儀、東風平町、八重瀬町を通って、糸満へと向かいました》

 高嶺村大里(現糸満市)を通った時は麦畑と松林が両手に広がっていたよ。その間を1列になって歩き、私は前から2番目を歩いた。10分くらい歩いていると、前を歩く女の人が荷物を持ったまま倒れたわけ。よく見ると右の横腹を破片でやられている。一言も話さない。私よりも年下かね。
 女の子2人が「お母さん、お母さん」と言って呼ぶんだけど返事もしない。又吉家のおじさんが遺体を松林のソテツの陰に運び、女の子たちに「あんたたちも一緒に行こう」と声を掛けたけど「行かない」と言って泣くもんだから、そのまま置いて行ってしまったよ。

※続きは2月24日付紙面をご覧ください。