王者育てたリングに別れ 金城さん主宰、ウィンナージム閉鎖


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 興南高、沖縄尚学高でボクシング部の監督を務め、数々の高校総体や国体王者、プロ選手を育成した金城眞吉さん(69)=東洋大ボクシング部総監督=が主宰する「ウィンナージム」の閉鎖式が5日、那覇市首里石嶺町の同ジムで開かれた。OBや関係者約40人が駆け付け、多くの名選手を生み出した“沖縄ボクシングの聖地”との別れを惜しんだ。

金城さんは「自分がチャンピオンを育てたんじゃなくて、子どもたちが努力した結果。出会いに感謝の気持ちです」と涙を浮かべた。
 同ジムは金城さんが1982年、自宅を改装して開設。選手たちと共同生活を送りながら指導に当たったが、沖尚高ボクシング部の廃部や東洋大の指導に集中するため、閉鎖を決めた。
 金城さんは「こみ上げるものがある」と寂しさを見せた一方で「ボクシングを好きな気持ちは変わらない」と情熱を燃やす。今後も県連盟の役員としてボクシング王国復活を目指していく。
 プロボクサーの小谷将寿(琉球ジム、スーパーフェザー級東洋太平洋11位)も高校時代の3年間、このジムで過ごした。リングで軽くステップし、最後の感触を確かめると「痛い、つらい思い出しかないのに(閉鎖は)寂しくてしょうがない」とつぶやいた。中真光石(沖縄ワールドリング、同7位)はジムに掲げられている「『練習に泣いて試合で笑え』という言葉は今でも心の中にある」と話した。

ウィンナージムの閉鎖式でミットを構えOBのパンチを受ける金城眞吉さん=5日、那覇市首里石嶺町の同ジム
OB、関係者と記念写真に収まる金城眞吉さん(前列中央)