著名三線奏者の「実演」を無人演奏で再現―。テレビ東京と日本IBMが主幹事でつくるオープンイノベーション「TaMaRiBa」(タマリバ)はヤマハ、エクレレとともに13日、三線実物からの本物の音色を楽しめるよう、無人で奏でる最新技術を沖縄県内の企業向けに披露した。ヤマハの「リアルサウンドビューイング」を用い、映像と音を事前収録した県内音楽家らの演奏技術をデジタル化して振動として三線に伝え、演奏を細部まで再現した。
那覇市のコレクティブホテルで披露した、「IBM Future Design Lab」プロデューサーの矢野裕佳さんは「本物の音楽を本物の三線でもっと気軽に、いつでもどこでも触れてもらえる機会を届けたい」と話した。県三線製作事業協同組合の仲嶺幹さんは「弦の擦る音など細かいところまでリアルに再現されている。今後も名人の演奏を残していきたい。100年後も貴重な資料になる」と歓迎した。
三線の収録演奏に、琉球古典音楽実演家の仲村逸夫さんと、よなは徹さん、民謡歌手の石嶺愛莉さんが携わり、古典音楽や民謡など計9曲を収録した。三線の演奏者や生産者の高齢化や減少、三線の普及率向上といった社会課題の解決を目的に、タマリバの番組企画から実現した。
タマリバはリアルサウンドビューイング搭載の三線を活用した実証実験に協力できる事業者を数社限定で探している。相談や問い合わせはタマリバ、電話080(2798)5702。
(田中芳)