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金銅雲龍文簪を展示 重文指定答申 沖縄県博、来月1日まで


金銅雲龍文簪を展示 重文指定答申 沖縄県博、来月1日まで 国の重要文化財に指定される「金銅雲龍文簪」
この記事を書いた人 Avatar photo 当銘 千絵

 琉球王府の祭祀(さいし)をつかさどった最高位の神女・聞得大君(きこえおおきみ)が使用したとされているかんざしで、国の重要文化財に指定される見通しとなった「金銅雲龍文簪(こんどううんりゅうもんかんざし)」の特別展示が9月1日まで、那覇市の県立博物館・美術館で行われている。国の文化審議会が今年3月、同かんざしを国の重要文化財に指定するよう盛山正仁文部科学相に答申。今後、官報の告示を経て正式に指定されることを受け、特別に一般公開する。

 かんざしは戦前、首里城近くの中城御殿(なかぐしくうどぅん)に保管されていた。沖縄戦の混乱のさなかに米軍人により持ち出され、一時所在が分からなくなっていたが、1953年のペリー来琉100年を記念して、同じく米国へ流出していた『おもろさうし』などの資料と共に返還された。その後、56年に県有形文化財に指定された。

 カブと呼ばれる直径10・8センチの飾り部分と、髪に差す茎部でできているかんざしには日輪(太陽)と雲が、側面には雌雄の龍と波が描かれているほか、漆工芸など王府伝来の遺品に多く見られる「天」の字を形象化した印が3箇所に刻まれている。

 同館の博物館班歴史分野学芸員の大城直也さんは「琉球王国時代の金工技術の粋を集めたかんざしを、ぜひこの機会に見学してほしい」と呼びかけた。

 観覧(博物館常設展)は一般530円、高校・大学生270円、県内の小中学生は無料(その他各種割引あり)。

 (当銘千絵)