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AI対策に著作権法改正を 日本新聞協会 記事無断学習で指摘


AI対策に著作権法改正を 日本新聞協会 記事無断学習で指摘 新聞協会AIの考え方骨子
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本新聞協会は30日、対話型人工知能(AI)のチャットGPTに代表される生成AIについて「基本的な考え方」をまとめた。報道機関が取材活動に多くの労力をかけた記事や写真が、AIの学習用に対価を払うことなく無断使用されていると指摘。早急に著作権法を改正し、AIの学習を報道機関が拒否したり、利用に許諾を求めて適切な対価を得たりできる仕組みの整備を求めた。 (3面に関連)

 2018年に改正された現行の著作権法はAIの学習用であれば、インターネットなどに公開された記事や写真、画像などを、著作権を持つ報道機関に無断で収集し、学習することを原則として認めている。
 「考え方」はなし崩し的に記事の無断使用が進むことに懸念を表明。AIによる記事などの無断かつ無秩序な使用が進めば、報道機関の経営に打撃を与え、国民の「知る権利」を阻害しかねないと主張した。政府に対し、技術の急速な進化に合わせ、著作権法改正など権利保護の仕組みを強化するよう訴えた。
 著作権法に関しては、生成AIなど高性能なAIを想定しておらず、諸外国に比べて著作権者の権利保護が甘いと批判。諸外国と足並みをそろえるべきだと指摘した。
 報道機関はAI開発者向けに情報解析用の記事データを販売しており、記事の無断使用は報道機関の権利侵害であり、適切な対価を支払うべきだと主張した。
 新聞協会など世界26の報道機関やメディア団体は9月、AI開発者や規制当局に著作権保護や透明性の確保、説明責任などを求める「世界AI原則」を発表している。