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トヨタ売上高43兆円 国内企業初、円安追い風


トヨタ売上高43兆円 国内企業初、円安追い風 トヨタの業績推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 トヨタ自動車は1日、2024年3月期の連結業績見通しを上方修正し、売上高を従来の38兆円から43兆円に、本業のもうけを示す営業利益を3兆円から4兆5千億円に引き上げた。SMBC日興証券によると、売上高が40兆円台、営業利益が4兆円台となるのは国内企業で初めて。世界的な半導体不足の緩和による新車生産の回復や円安が追い風となる。
 純利益も2兆5800億円からトヨタとして過去最高の3兆9500億円に上方修正した。
 レクサスブランドを含むトヨタ単体の中間期の世界販売台数は前年同期比9・1%増の約517万2千台で、下半期も含む年度半期ベースで最高を記録。需要に供給が追いつき、国内や北米の市場が特に好調だった。
 通期の想定為替レートは平均1ドル=125円から141円に引き上げた。トヨタは国内で生産した車を輸出しており、円安が進むと海外のもうけが円換算で膨らむ。為替変動の増益効果は通期の営業利益ベースで1兆1800億円となる。
 10月には仕入れ先の爆発事故の影響で完成車工場の約半数のラインが稼働を一時止めたが、挽回が可能だとして24年3月期で1010万台とする生産計画は維持した。
 世界販売も1040万台の計画を据え置いた。中国やタイ、ベトナムなどで減少を予想する一方、北米や欧州などで増加を見込む。電気自動車(EV)の販売台数は中国市場での苦戦もあり、20万台から12万台に引き下げた。
 同時に発表した23年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比24・1%増の21兆9816億円、営業利益が約2・2倍の2兆5592億円、純利益は約2・2倍の2兆5894億円。売上高、営業利益ともに、トヨタが持つ日本企業の半期の最高記録を塗り替えた。
 宮崎洋一副社長は決算説明会で「判断を迅速に実行する生産や物流、販売の現場力がフルに発揮されているのが、今期の数字だと思う」と述べた。