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2会合連続 市場、利上げ終結に期待 FRB、金利据え置き


2会合連続 市場、利上げ終結に期待 FRB、金利据え置き 米金融政策と議長記者会見のポイント
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 【ワシントン共同=建部佑介】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は1日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利の維持を決めた。2会合連続での金利据え置きは2022年3月のゼロ金利政策解除以降、初めて。FRBは経済や物価への影響を引き続き見極める考えで、利上げ局面は最終盤を迎えている。市場では利上げは打ち止めとの期待も高まっている。
 短期金利の指標フェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を5・25~5・5%とし、米国債などの保有資産の縮小は続ける。パウエル議長は記者会見で、強い経済が続くことで物価上昇率が拡大するリスクがあれば「さらなる金融引き締めが正当化される」と改めて強調。追加利上げの可能性を否定しなかった。
 FRBは声明で7~9月期の経済活動について「力強く拡大した」と指摘。雇用の増加も「以前より緩やかだが、なお力強い」と分析した。
 FRBが9月に示した政策見通しに基づけば、年内はあと1回の利上げが見込まれる。ただ、パウエル氏は今後の政策について「経済のデータなどに基づき判断する」と説明。追加利上げの選択肢を残しつつ、状況次第で変わり得ることも示唆した。利下げに関しては「今は全く考えていない」とけん制した。
 大手取引所CMEグループが先物取引から算出した金利予想では、年内最後となる12月会合で金利を据え置く確率が1日時点で7割超と有力視される。
 足元では米長期金利が上昇し、ドル高が進行している。指標となる10年国債利回りは10月に一時、約16年ぶりの5%台まで高まった。市場の金利上昇は、FRBの利上げと同様に企業の借り入れ金利上昇などで経済活動を抑制することにつながる。パウエル氏は、長期金利上昇が「金融政策に影響を与える可能性がある」と述べ、注視する考えを示した。