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明治社長、現状に危機感 酪農経営支援で チーズ販売強化


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 明治の松田克也社長(66)が3日までに共同通信のインタビューに応じ、飼料価格の高騰で乳牛を育てる酪農家の経営が行き詰まっている現状について「急速に離農が進んでいる」と危機感を示した。支援策として国産チーズ製品を強化し、牛乳の需要を拡大することで酪農家を支える考えを示した。
 生乳は消費が減る冬に供給過剰になりやすく、チーズやヨーグルトの原料に回すことで需給を安定させようとしているが、廃棄処分を余儀なくされる農家もいる。一方、チーズの国内需要は輸入で賄っている。松田氏は「栄養価が高く食料安全保障の面からもできる限り国産にすべきだ」と指摘した。
 明治は牛乳の国内市場シェア1位で、松田氏は日本乳業協会会長も務めている。生産コスト上昇から乳製品を複数回値上げしたが、価格転嫁は12月中にほぼ完了する見込みという。
 2022年に30周年を迎えたチーズブランド「明治北海道十勝」などで「国産の価値を高め商品を拡大しようとしている」と説明。北海道芽室町の工場内に同年、研究施設を新たに設置した。新施設からの第1弾として今年10月、カマンベールとブルーチーズを掛け合わせた「カマンブルー」を発売、今後も迅速に商品開発を進める考えだ。