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9月実質賃金2.4%減 18カ月連続 物価高に追い付かず


9月実質賃金2.4%減 18カ月連続 物価高に追い付かず 実質賃金の増減率の推移
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 厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動を加味した実質賃金は、前年同月比2・4%減で、18カ月連続のマイナスとなった。名目賃金に当たる現金給与総額は、21カ月連続でプラスだったものの、物価に賃金の伸びが追い付かず、家計を圧迫する状況が続く。
 現金給与総額は1・2%増の27万9304円で、このうち基本給を中心とした所定内給与は1・5%増の25万2781円。厚労省担当者は「賃上げの効果が出てきている」と指摘した。
 残業代などの所定外給与は0・7%増の1万8795円。主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は6・0%減の7728円だった。
 現金給与総額を就業形態別に見ると、一般労働者は1・6%増の36万3444円で、パートタイム労働者は1・9%増の10万2135円だった。
 主要産業別での現金給与総額の増減率は、不動産・物品賃貸業が6・5%増、金融業・保険業が5・8%増となった一方、鉱業・採石業は10・5%減だった。
 実質賃金の算出に用いる消費者物価指数は、3・6%上昇した。高い水準が続いている。
 1人当たりの総実労働時間は、0・3%減の136・8時間だった。 
 武見敬三厚労相は7日の記者会見で「中小企業が賃上げしやすい環境整備が重要だ」と述べ、支援を通じて物価の伸びを上回る賃金の上昇を目指す考えを示した。