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SOMPOに立ち入り 金融庁 ビッグモーター不正請求


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 鈴木俊一金融担当相は7日の閣議後記者会見で、中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題を巡り、金融庁が損害保険ジャパンの親会社SOMPOホールディングス(HD)への立ち入り検査を始めたと明らかにした。親会社の経営陣の監督責任を徹底的に追及する。
 金融庁はSOMPOHDの桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者=CEO=(67)が、中核子会社の損保ジャパンを適切に管理していたかどうかを調べる方針。企業統治体制の不備を問題視しており、桜田氏の経営責任が焦点だ。
 金融庁が6日付でSOMPOHDに対し、立ち入り検査の実施を通知した。近日中に、役員を中心にヒアリングを始める。損保ジャパンに関しては9月19日に立ち入り検査を始めていた。
 鈴木氏は7日の会見で、9月からの検査状況に基づき「子会社の経営管理についてSOMPOHDに確認を行う必要が生じた」と話した。
 桜田氏は2010年に日本興亜損害保険と合併前の損保ジャパン社長に就任し、10年以上にわたり経営トップを務めている。19年4月から今年4月までは、経済同友会の代表幹事を兼務した。桜田氏が損保ジャパンの経営判断に与える影響は大きいとみられる。
 SOMPOHDと損保ジャパンの本社は同じ建物で、検査官が常駐して内部管理体制などを調べる。金融庁は、保険契約者の利益を軽視するような問題に対しては業務改善命令などを出し、厳正に処分する方針だ。