有料

IPEF首脳、共同声明へ 16日会合、物資供給で協力


IPEF首脳、共同声明へ 16日会合、物資供給で協力 想定されるIPEF共同声明のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加する日本や米国など14カ国が、米サンフランシスコで16日に首脳会合を開き、共同声明を発表する方向で調整していることが8日分かった。複数の関係者が明らかにした。昨年9月の交渉入り後、首脳レベルで声明を出すのは初めて。覇権主義的行動を強める中国を念頭に、インド太平洋地域の「自由で開かれた繁栄に向けて経済的関与を深める」などと打ち出す。
 バイデン米大統領や岸田文雄首相らが出席する見通し。現地で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた開催となるため、2国間会談などで多忙となる各国首脳が参加できるかどうか最終調整している。
 首脳会合に先立ち、14日には重要物資のサプライチェーン(供給網)協定の閣僚署名式が開かれることも判明した。
 共同声明には、重要物資の供給協力や腐敗防止の取り組みも盛り込むことが想定される。
 デジタル貿易など一部の交渉分野は継続協議とするが、大枠での合意を演出し、ルールに基づく経済成長の促進を発信する構えだ。参加国間の連携を確認する狙いもある。
 IPEFは「貿易」「供給網」「クリーン経済」「公正な経済」の4分野で共通のルール作りを目指している。
 今年5月に米デトロイトで開いた閣僚会合で、供給網強化の協定を結ぶことで実質合意した。半導体や鉱物といった重要物資の供給が途絶えるリスクに対応する仕組みを設ける内容で、今回が正式署名となる。
 関係閣僚は13~14日に残る分野の協議も詰める。
 IPEF 米国主導の新たな経済圏構想「Indo―Pacific Economic Framework(インド太平洋経済枠組み)」の略称で、アイペフと呼ばれる。2022年5月に発足。バイデン米大統領は対中国を念頭に「21世紀の競争を共に勝ち抜く」と強調した。日米韓やオーストラリア、東南アジア諸国などインド太平洋地域の計14カ国が参加。関税引き下げは議題にせず、経済的なつながりを深める方策を協議する。