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みずほ、楽天へ追加出資 900億円規模、携帯事業苦戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 楽天グループは9日、傘下の楽天証券が、みずほフィナンシャルグループ(FG)から900億円規模の追加出資を受け入れると発表した。2023年1~9月期連結決算も公表し、純損益は2084億円の赤字だった。赤字は1~9月期として5年連続。携帯電話事業の投資がかさみ苦戦が続く中、出資受け入れで資金の調達につなげる。
 楽天グループが持つ楽天証券の株式の約3割を、みずほFG傘下のみずほ証券に売却する。楽天証券を傘下に持つ楽天証券ホールディングスは7月、東京証券取引所に株式の上場を申請していたが、今回の追加出資を踏まえて取り下げを決めた。上場方針は維持する。
 楽天モバイルの契約回線数は10月末時点で約530万件と、9月末から約19万件増えた。オンラインで記者会見した楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は契約数の伸びが順調だと強調し、24年末までの目標として「800万~1千万を目指す」と語った。
 楽天は、携帯事業の基地局整備に累計約1兆円の資金を投じ、多くを社債で調達してきた。24年には約3200億円、25年には約4700億円の償還を迎える。赤字が続き、通信品質の改善へさらなる投資も必要になるが、三木谷氏は社債償還は「全く問題ない」と説明した。