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大企業純利益 最高水準 9月中間 円安、製造業けん引


大企業純利益 最高水準 9月中間 円安、製造業けん引 業種別の純利益増減率と要因
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 上場企業の2023年9月中間決算の純利益合計額が過去最高水準となる見通しであることが9日、分かった。外国為替市場の円安基調の恩恵を受けた製造業がけん引した。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ人の流れの回復も非製造業の追い風となった。24年3月期通期も過去最高益が見込まれ、好業績が24年春闘での賃上げを後押ししそうだ。
 東京証券取引所の最上位「プライム市場」に上場する3月期決算企業を中心に、8日までに決算を開示した819社をSMBC日興証券が集計。9月中間決算の純利益の合計額は前年同期比12・2%増の17兆8742億円となった。企業数は最終的な集計対象全体の約57%に当たる。9日に巨額の赤字決算を発表したソフトバンクグループ(SBG)などを含むと純利益の伸び率は今後、縮小する可能性がある。
 製造業の純利益は11・8%増の9兆1280億円。自動車を含む輸送用機器は90・7%増の3兆5574億円。原材料価格の高騰を受けた値上げで収益が改善した食料品は81・8%増の2377億円だった。
 金融を除く非製造業は11・8%増の8兆2612億円。旅行需要の回復で空運は約8・7倍の大幅増となった。陸運も63・2%増えた。電気・ガスは黒字転換し、1兆8701億円を確保。料金引き上げの効果が出た。
 一方、海運は81・7%減。商社を含む卸売業は前年が好調だった反動で18・6%減となった。