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海銀は減収減益 事業性貸し出し伸び


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 沖縄海邦銀行(新城一史頭取)が10日発表した2024年3月期中間連結決算は、売上高に当たる経常収益が前年同期比3・1%減の61億2300万円、経常利益が6・9%減の10億5400万円で減収減益だった。純利益は35・9%減の6億6700万円。銀行単体の本業のもうけを示すコア業務純益は経費圧縮などが寄与し増加した。新型コロナウイルスの影響緩和を背景に力を入れる事業性貸し出しが伸び、過去最大の残高だった。
 銀行単体の経常収益は3・1%減の61億1200万円、経常利益は6・8%減の10億6200万円、純利益は35・6%減の6億7400万円。コア業務純益は人件費や物件費といった経費が減少し、12・8%増の10億3千万円となっている。
 有価証券利息配当金など資金運用収益と、前年同期に国債の売却益があった業務収益の減少が主な減収要因。与信コストはコロナ前から業況が悪化していた取引先の引き当てがあり、計1億6100万円を計上。利益の下押し要因となった。
 貸出金全体は微減だったが、このうち事業性融資は残高が4328億円と過去最大だった。新城頭取は「事業性に軸を置くビジネスモデルに転換し、要管理債権の改善につながってきた。中小企業の環境は予断を許さないが想定通りの決算だ」と述べた。日銀の金融政策や今後の信用コスト発生の可能性を踏まえ、通期の予想は据え置いた。 (當山幸都)
沖縄海邦銀行の2024年3月期
中間決算(連結) ※かっこ内は前年同期比増減率、▲はマイナス。コア業務純益のみ単体 経常収益 61億2300万円(▲3.1%) 経常費用 50億4900万円(▲2.3%) コア業務純益 10億3000万円(12.8%) 経常利益 10億5400万円(▲6.9%) 中間純利益  6億6700万円(▲35.9%)