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「景気拡大基調」維持 11月概況 日銀那覇、観光底堅く


「景気拡大基調」維持 11月概況 日銀那覇、観光底堅く
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 日銀那覇支店は10日に発表した11月の県内金融経済概況(主要指標9月)で、観光需要や消費の底堅さを受け、前月引き上げた「拡大基調にある」との判断を維持した。項目別も前月から変更はなく、先行きも同じ状況が続くとの見通しを示した。
 個別項目で観光は団体旅行が回復するなどしており、小島亮太支店長は「9月、10月は需要が旺盛で、11月も足元の情報を総合するとこの傾向が続く」と分析した。主要ホテル客室稼働率は7割前後に回復。「9月短観の先行きで聞かれた秋口の弱さの懸念は杞憂(きゆう)に終わると期待している」と評価した。
 観光に引っ張られて消費は好調で、イベント再開も購買意欲を刺激したとみられる。台風の影響で前月マイナスだった自動車登録台数はプラスに転じた。
 公共投資は防衛関連、学校、橋りょうの工事が押し上げ「高めの水準で推移」を維持。住宅投資は貸家や分譲が前年を上回るなど4カ月連続で増加し「下げ止まっている」を据え置いた。
 県内経済は好調が続く見込みの一方で、国際情勢、資源高、人手不足は「沖縄にとって大きなリスク」として注意深く見ていく必要性を挙げた。 (謝花史哲)