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IPEF脱炭素基金 新興国支援 日米30億円拠出


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【サンフランシスコ共同】日米など14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」が、メンバーの新興国の脱炭素化を支援するために基金を創設する方針であることが分かった。まず日米がそれぞれ1千万ドル(約15億円)を拠出する方向で調整。米国主導の枠組みに加わるメリットをアピールする狙いだ。
 IPEFは米国が敬遠するため関税の引き下げを議論せず、新興国には長所が見えにくいと指摘されている。先進国の脱炭素技術も提供し、環境対応を後押しすることで求心力を高める。
 IPEFは米サンフランシスコで現地時間13日(日本時間14日未明)から2日間の日程で閣僚会合を開催。基金創設は、14日の「クリーン経済」分野の討議で打ち出す見通し。日米はIPEF参加の他の先進国にも資金拠出を呼びかける。
 IPEFは昨年5月、覇権的な動きを強める中国への対抗を念頭に米政権の主導で発足。クリーン経済と「貿易」「供給網」「公正な経済」の4分野で高い水準のルール作りを目指している。
 うち重要物資の供給網強化は既に合意しており、今回は残る3分野で大筋合意する見通し。ただ貿易の一部であるデジタル貿易に関しては見送られる方向だ。
 こうした点でも参加各国にIPEFの意義を訴える必要性が高まっているとみられる。