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ビッグモーター抹消へ/保険代理店登録 金融庁、30日に


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 金融庁は14日、自動車保険の保険金不正請求問題を起こした中古車販売大手ビッグモーター(東京)の保険代理店登録を、30日付で取り消す方針を固めた。代理店に対する最も重い行政処分とする。鈴木俊一金融担当相が閣議後の記者会見で明らかにし、立ち入り検査で「適正な保険募集を確保するための体制整備が行われていないことが確認された」と述べた。

 金融庁が21日にビッグモーターから意見を聴取した後に処分を出す。取締役会を開いていないなど企業統治(ガバナンス)体制に不備があり、保険契約者の保護に問題があると判断した。
 損害保険ジャパンなどビッグモーターと代理店契約を結んでいた損害保険各社は30日までに委託契約を解約する方針だ。ビッグモーターが代理店業を続けるのは極めて難しくなっていた。
 損保大手は事故車両の修理をビッグモーターにあっせんし、その見返りにビッグモーターから自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の契約を割り振られていた。金融庁は両者の癒着が不正の温床になった可能性があるとして調査を進めている。ビッグモーターに計43人の出向者を出すなど特に親密だった損保ジャパンと、親会社のSOMPOホールディングスには立ち入り検査をしており、保険業法上の問題があれば、業務改善命令などの行政処分を出す。
 保険代理店登録を取り消され、収益源の一つを失うビッグモーターは再建に向けてスポンサー探しを進めたい考えだが、活路は開けず混迷が深まっている。