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CEO解任で従業員離反/オープンAI、混乱続く


CEO解任で従業員離反/オープンAI、混乱続く 米新興企業オープンAIを巡る主な動き
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ニューヨーク共同】対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIで、最高経営責任者(CEO)を務めていたサム・アルトマン氏が解任されたことによる混乱が続いている。大口投資家の反発を受けてCEO復帰が話し合われたが実現せず、従業員の9割超が20日に「アルトマン氏が復帰しないのであれば退社する」と表明した。
 アルトマン氏は17日に、取締役会から「コミュニケーション不全」を理由に解任された。20日にオープンAIと提携するマイクロソフト(MS)がアルトマン氏を入社させ、オープンAIとの協力関係も維持すると発表して事態の収拾を図ったが、従業員の反発は収まらなかった。
 米メディアによると、従業員は復帰要求が受け入れられなければ、MSに移籍することを示唆した。アルトマン氏は20日にX(旧ツイッター)に「最優先事項はオープンAIが成功し続けることだ」と投稿しており、従業員の動きは想定外だった可能性がある。
 混乱の原因と指摘されるのがオープンAIの特殊な構造だ。同社は2015年に「人類の利益のために安全で有益なAIを開発する」ことを目的に非営利法人として設立された。しかし、非営利法人のままでは開発資金の調達が困難となり、19年に傘下に営利企業を置いてMSから出資を受けた。現在も非営利法人が営利企業の活動全般を統治し、監視すると定められている。このためオープンAIの株主はアルトマン氏の退社を防いだり、復帰を強制させたりといった影響力を行使できなかった。